肝臓機能低下のサイン
~肝炎・肝硬変・肝臓がん~
弱った肝臓の症状
肝臓は、非常に頑丈で初期症状がほとんどあらわれず、気づかない内に病状が進行してしまう臓器です。
病状が進行してはじめにあらわれる症状として、全身の倦怠感や疲労感があり、さらに肝硬変が進むと黄疸や腹水が認められることがあります。また、胃カメラ検査で食道静脈瘤がみつかったり、肝性脳症などの症状もでてきます。
初期の段階では肝疾患による症状と気づきにくく、健康診断や献血などではじめてわかるケースが大半です。
肝臓が沈黙の臓器といわれる理由
肝臓は「沈黙の臓器」ともいわれています。
再生能力、予備能力にすぐれており、機能不全となった肝細胞の仕事を生き残った肝細胞が肩代わりして、肝臓全体の機能を維持します。
この優れた再生力が原因となり、肝臓の病気はある程度進行しないと症状が出てきません。肝臓がみずから不調を発することがないため、定期健診を受け早期発見につなげる必要があります。
早期発見のための検査
肝臓疾患の早期発見・予防には、定期健康診断で「肝機能検査」の項目に注意しておくことが重要です。
肝機能検査では
- AST
- ALT
- γ(ガンマ)-GTP
の3項目を血液検査で調べられ、これらの数値はいずれも肝臓の酵素です。
3つの項目のうち1つでも基準範囲より高い値があると、「肝機能異常」と診断され、早めの医療機関への受診が必要です。
肝機能異常と診断され、さらに次の項目に1つでも当てはまるものがある場合は、
肝臓病になりやすい、もしくはすでに肝臓病である可能性が高いため、精密検査を受けるようにしてください。
精密検査の内容としては、より詳細な採血と腹部超音波検査になります。
- 家族にC型やB型などのウイルス性肝炎の人がいる
- 尿の色が濃くなった
- あぶらっこいものを食べられなくなった
- 年々体重が増えている(へそ周りが太くなる「内臓脂肪型肥満」の人は要注意)
- お酒を毎日のように飲んでいる
生活習慣病をくわしく知りたい方へ
肝臓疾患をはじめとする生活習慣病全般に関する解説は下記をご覧ください。